「EGFR遺伝子変異陽性肺癌術後再発症例の予後因子に関する研究」について

2021年3月1日(第1版)

肺癌手術を受けた患者さん・ご家族の皆様へ

「EGFR遺伝子変異陽性肺癌術後再発症例の予後因子に関する研究」について

はじめに

 国立病院機構松江医療センター呼吸器外科では、原発性肺癌と診断され、手術を受けた患者さんのうち、術後再発を認め、かつEGFR遺伝子変異を認めた方を対象に、カルテ、手術記録、看護記録等(以下、「カルテ等」といいます)の診療情報から得られる情報をもとに研究を実施しています。
 この研究は鳥取大学との共同研究として、鳥取大学医学部倫理審査委員会の承認を経て、当院での倫理審査委員会の承認を受けております。詳細は以下のとおりです。

1. 研究概要および利用目的・方法

 本研究では、2005年1月1日から2019年12月31日までの期間に、鳥取大学医学部附属病院、鳥取県立中央病院、鳥取県立厚生病院、松江医療センター、松江赤十字病院において、原発性肺癌に対して解剖学的切除(肺全摘、肺葉切除、区域切除、およびリンパ節郭清)を受けた患者さんのうち、術後再発を認め、かつEGFR遺伝子変異を認めた方のカルテ等から情報を集めさせていただき、「再発後の生存期間、生存期間に影響を与える因子」を調査します。すべての情報は、鳥取大学医学部附属病院呼吸器外科で集計されます。なお、情報は、研究責任者が責任を持って保管、管理します。

 本研究に参加される患者さんは、他の研究参加者への個人情報保護や本研究の独創性の確保に支障がない範囲で、研究計画書及び研究の方法についての資料を入手又は閲覧することができます。希望される方は、遠慮なく問合せ窓口にお申し出ください。

2. 取り扱う情報

 患者さんのカルテ等の診療情報から以下の項目を集めさせていただきます。

【患者さんの情報】
診断時年齢、性別、身長、体重、喫煙歴、確定診断日、診断方法、PS、腫瘍マーカー(CEA)、血圧、脈拍数、心電図、呼吸機能所見、CT所見、PET所見、臨床診断(Stage)、EGFR遺伝子変異のタイプ、合併症、既往歴など

【初回治療時の情報】
手術アプローチ法、手術術式、病変部位、リンパ節郭清法、手術時間、出血量、根治度、術中・術後の合併症、胸腔ドレーン留置期間、入院期間、病理組織型、リンパ節転移の有無、放射線治療の有無・内容、薬物療法の有無・内容など

【再発後の状況】
再発後の生存期間、再発形式、再発後の治療内容など

3. 研究期間

 この研究は、松江医療センター院長が研究の実施を許可した日から2024年12月31日まで行う予定です。

4. 個人情報保護の方法

 患者さんの情報は、研究責任者が責任をもって保管、管理します。また、氏名、イニシャル、住所、電話番号、カルテ番号などの直ちに個人を識別できる個人情報は匿名化*され、本研究では匿名化された情報を使用します。このようにして患者さんの個人情報の管理については十分に注意を払います。

*匿名化について:本研究にご提供いただく情報については、患者さんの氏名、住所、電話番号、カルテ番号など、患者さん個人を直ちに特定できるような情報をすべて削除し、代わりにこの研究用の登録番号をつけます。なお、研究の過程で情報がどの患者さんのものかを知る必要がある場合も想定されます。その場合に備えて、情報と患者さん個人を結びつけることのできる対応表を作成させていただきますが、この対応表は研究責任者によって鍵のかかる保管庫で厳重に管理されます。
5. 研究への情報提供による利益・不利益

 利益・・・・今回の研究に情報をご提供いただいた患者さん個人には、特に利益と考えら
       れるようなことはございませんが、研究の成果は、将来の肺癌の治療法の進
       歩に有益となる可能性があります。なお、情報を使用させていただいた患者
       さんへの謝礼等もありません。

 不利益・・・カルテ等からの情報収集のみであるため、特にありません。

6. この研究終了後の情報の取り扱いについて

 今回、集めさせていただく患者さんの情報が医学の発展に伴い、他の病気の診断や治療に新たな重要な情報をもたらす可能性があります。このため、患者さんの情報は、この研究終了後も保存させていただき、他の研究に使用させていただくことがあります。その場合は、新たに研究計画をたてて研究に参加する医療機関の倫理審査委員会での審査を経て、他の研究に使用させていただきます。
 情報は、当該研究の終了について報告された日から5年を経過した日又は当該研究の結果の最終の公表について報告された日から3年を経過した日のいずれか遅い日までの期間保存します。保存期間終了後は、患者さん個人を特定できない状態にして適切に廃棄します。

7. 研究への情報使用の取り止めについて

 患者さん個人の情報を研究に用いられたくない、または鳥取大学医学部附属病院への情報の提供を停止したい場合には、いつでも取り止めることができます。取り止めを希望された場合でも、担当医や他の職員と気まずくなることはありませんし、何ら不利益を受けることはありませんので、下記【問い合わせ窓口】までお申し出ください。未成年者の方では、保護者の方(父母、成人の兄弟、祖父母、同居の親族などの近親者)からの研究不参加のお申し出やお問い合わせに対しても対応いたします。
 取り止めの希望を受けた場合、患者さんの情報を使用することはありません。この場合には、個人を特定できない状態にして、速やかに廃棄させていただきます。
 しかし、取り止めを希望した時点で、すでに研究成果が論文などで公表されていた場合のように、結果を廃棄できない場合もあります。

8. 当該臨床研究に係る資金源について

 本研究は、鳥取大学医学部附属病院呼吸器外科の研究費で行っており、特定の企業・団体等からの支援を受けて行われるものではなく、利益相反状態にはありません。

9. 研究成果の公表について

 研究成果が学術目的のために論文や学会で公表されることがありますが、その場合も、患者さんの個人が特定される情報は全て削除して公表します。情報の秘密は厳重に守られますので、第三者に患者さんの個人情報が明らかになることはありません。

10. 知的財産権の帰属について

 本研究の結果、特許などの知的財産が生じる可能性もございますが、その権利は鳥取大学に帰属し、あなたには帰属しません。

11. 問い合わせ窓口

 本研究についてのご質問だけでなく、患者さんの情報が研究に用いられているかどうかをお知りになりたい場合や、患者さんの情報の使用を望まれない場合など、この研究に関することは、下記の窓口までお問い合わせ下さい。

【問い合わせ窓口】
 春木 朋広  鳥取大学医学部附属病院 呼吸器外科
   〒683-8504 鳥取県米子市西町36-1
   TEL:0859-38-6737/FAX:0859-38-6730

 荒木 邦夫 国立病院機構松江医療センター 呼吸器外科
   〒690-8556 島根県松江市上乃木5-8-31
   TEL:0852-21-6131/FAX:0852-27-1019

【研究責任者】
 春木 朋広  鳥取大学医学部附属病院 呼吸器外科
   〒683-8504 鳥取県米子市西町36-1
   TEL:0859-38-6737/FAX:0859-38-6730

この研究に関する情報は、鳥取大学医学部附属病院のホームページおよび国立病院機構松江医療センターホームページに掲示しております。
 URL:
 (鳥取大学)https://www2.hosp.med.tottori-u.ac.jp/introduction/3107/
 (松江医療センター)https://matsue.hosp.go.jp/

12. 研究実施機関および研究責任者

 春木 朋広 鳥取大学医学部附属病院 呼吸器外科
 吹野 俊介 鳥取県立厚生病院 外科 副院長
 前田 啓之 鳥取県立中央病院 呼吸器・乳腺・内分泌外科 部長
 荒木 邦夫 松江医療センター 呼吸器外科 診療部長
 三和 健  松江赤十字病院 呼吸器外科 部長