肺表面にできた薄い袋(ブラと呼ばれます)が破れ、そこから肺の中の空気が胸腔内に漏れて肺が縮んでしまう病気です。
症状としては胸痛、咳、息苦しさが特徴的です。高齢者だけでなく若年者にも多い疾患です。高齢者の場合は肺気腫が原因であることが多いのに対し、若年者の場合はほとんどが原因不明で、圧倒的にやせている人に多い事が特徴です。
聴診、レントゲン、CTによって行います。
ブラからの空気漏れは少量であれば自然に止まることもあり、その場合、胸腔内に漏れた空気は次第に吸収されます。肺の縮みが強い場合には、胸腔内にドレーンという空気抜きの細い管を入れて、空気を体外へ追い出してやる処置を行います。この処置でいったん気胸は治まります。しかしながら、この処置のみでは気胸の原因となったブラが残ってしまいますので、多くの人が再発してしまいます。
上記のような背景をもとに、原則として手術をお勧めしています。当院では胸腔鏡手術を早くから取り入れており、数cmの小さな傷を数カ所開け、ブラを縫い縮める手術を行います。